ニキビ、シミ改善に有効なフォトフェイシャルとは?

コラム

フォトフェイシャルやレーザー治療などの「光治療」とよばれる治療について記載していきます。

まず、光治療を理解する上で重要なのは「光の波長」についての説明です。

光は波長を持っています。人間の目が捉えることができる光の波長は約400~800nmです。波長が長い光は赤く見え、短い光は青く(または紫く)見えます。可視光線よりも長い波長の光(800nm以上)は赤外線と呼ばれ、短い波長の光(400nm以下)は紫外線と呼ばれます。赤外線は「赤く見える光の外」を指し、紫外線は「青く(または紫く)見える光の外」を指します。

紫外線については説明が不要ほど、肌にとって重要です。波長が長い順にA、B、Cと名前がつけられるが、UV-Cは地表に届かないため考慮する必要がありません。UV-AとUV-Bが肌に影響を与えます。紫外線は日焼けやシミ、たるみの原因となりますが、ビタミンDの生成には必要なものでもあります。したがって、単純に有害だとは言えません。

話が少し脱線しますが、紫外線よりも波長の短い電磁波は宇宙線、電磁波、X線、放射線などと呼ばれます。一方、赤外線より波長が長い光は電波と呼ばれます。電波はテレビやラジオ、無線通信などで使用されています。赤外線通信はスマートフォンでアドレス交換などに利用されています。

話を元に戻すと、フォトフェイシャルとレーザーはともに「光を用いた治療」ですが、その違いは治療に使用される光の「波長」にあります。レーザー治療は単一の波長の光を使用し、一方でフォトフェイシャルは複数の波長を含んだ広い光の範囲を利用しています。

光治療の仕組み

私たちの肌を含む物体は、特定の波長の光を吸収する性質があります。赤い物体は波長の長い(赤い)光を吸収し、青い(紫)物体は波長の短い光を吸収します。物体に光が当たると、初めて色が現れます。紫外線滅菌の紫色の光に物体を置いても、単一の色にしか見えない特性があります。

私たちの日常が豊かな色彩で満ちているのは、太陽光にはさまざまな波長の光(電磁波)が含まれているからです。極端に短い波長の宇宙線(放射線)から極端に長い波長の電波までが含まれています。

レーザーの原理

レーザーは、特定の物質が特定の色のみを吸収する性質を活かしています。例えば、血管腫は赤血球による赤い色の病変です。赤い色に特化した強力なレーザー光を肌に照射すると、その他の組織は影響を受けず、赤い血管腫だけが光を吸収します。これにより、血管腫が破壊され、赤ら顔が改善されます。同様に、しみやあざなども吸収されやすいレーザー光を用いて治療が可能です。

・フォトフェイシャルのメカニズム

フォトフェイシャルは、幅広い光の群を使用した治療です。これには、しみ取りレーザーで使用される波長の光や、赤ら顔の治療に効果的な光の波長が含まれます。更に、肌の引き締めに寄与する波長も組み込まれています(肌の引き締めには「サーマクール」として知られる治療も参照)。つまり、フォトフェイシャルは一台でシミ取り、赤ら顔、そして肌の引き締めまで、幅広い治療を提供する多機能なアプローチです。

フォトフェイシャルの特徴

フォトフェイシャルはシミ取りや赤ら顔、お肌のタイトニングといった治療を提供していますが、その効果を達成するためには強力なエネルギーを用いる必要があります。例えば、お肌のタイトニングには専用の光エネルギーを使用します。

同様に、シミ取りや赤ら顔治療にも、それぞれの目的に特化したレーザー光の強いエネルギーが必要です。ただし、一つの目的のためだけに強力なエネルギーを使うと、効果がなかなか現れないことがあります。フォトフェイシャルはこれに対処するため、光のエネルギーをシミ取りや赤ら顔、お肌のタイトニングに均等に分散させています。これにより、1回の治療では効果が十分に得られないことがありますが、副作用の心配が少なく、安全性が高い治療法です。ただし、フォトフェイシャルの効果を実感するには通常、5回程度の継続治療が必要です。

フォトフェイシャルの有効期間

フォトフェイシャルによる治療の成果は約半年で消失します。

従って、フォトフェイシャルの効果を持続させるためには、一定の頻度で治療を繰り返す必要があります。単発の治療費が削減されたとしても、効果を維持するためには複数回の定期的な治療が必須であることを考慮するべきです。

フィトフェイシャルのリスク

フォトフェイシャル治療は、通常ダウンタイムが短く、副作用や不成功の可能性が低いとされています。ただし、治療効果を向上させるために光の出力を強化すると、火傷のリスクが生じる可能性があります。

また、フォトフェイシャルを受けた後に適切な日焼け対策を怠ると、色素沈着が発生することがあります。

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